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【セミナー報告】WPI-Bio2Q 公開セミナー

2026年1月8日

2026年1月8日

世界トップレベル研究拠点(WPI)慶應義塾大学ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター(Bio2Q)は以下のとおり公開セミナーを開催しました。

2026年1月7日(水)17:00~18:00

会場:慶應義塾大学信濃町キャンパスJKiC 1F 会議室

講演者:
Masahiro Kanai, PhD
Instructor in Medicine, Center for Computational and Integrative Biology
Massachusetts General Hospital
Broad Institute of MIT and Harvard
USA

タイトル:「大規模マルチオーム免疫細胞アトラスを用いた疾患制御機構の解明」

概要:「疾患関連変異の多くが非コード領域に位置する一方、これら変異の分子制御機構の知見は限られてきた。シングルセルQTL解析の発展により、こうした制御性変異の解明が期待されるものの、先行研究では疾患関連遺伝子における変異を検出するためのサンプル数が不足しており、またクロマチン状態から遺伝子発現に至る完全なメカニズムを追跡するために必要な、制御階層を跨ぐ同時計測も不十分であった。本研究では、免疫細胞におけるクロマチンアクセシビリティと遺伝子発現の大規模シングルセル同時解析により、遺伝的変異から疾患に至る多層的制御機構を解明する。我々は、1,108名のフィンランド人から採取した1,000万個のPBMCを用いて、シングルセルATAC-seqおよびRNA-seqの同時計測(マルチオーム)を実施し、20,829遺伝子に対する51,083のcis-eQTL、210,584ピークに対する338,100のcis-caQTL、119,094個のfine-mapped変異、および496,488のエンハンサー・遺伝子リンクを同定した。同定した変異を制御メカニズムに基づき体系的に分類したところ、クロマチンから遺伝子発現への完全な制御経路が確立された変異は、クロマチンのみに作用する変異と比較して、2倍の疾患colocalization率を示すことが明らかになった。また、進化的制約遺伝子(constrained gene)の解析により、遺伝的変異、エンハンサー、および遺伝子間の多層的制御バッファリング機構を明らかにした。すなわち変異のクロマチンへの効果量は進化的制約を受けない一方、その遺伝子発現への伝達は、体系的に弱いエンハンサー・遺伝子リンクを介して減衰されていた。この機構は、見かけ上のeQTL欠損に関わらず、なぜ疾患変異が制約遺伝子を優先的に標的とするのかという矛盾を解決するものである。さらに、我々はbase-editingを用いてTNRC18などのフィンランド集団特異的疾患原因変異の分子メカニズムを実験的に検証した。本リソースは免疫疾患関連座位の半数以上において、検証可能なメカニズムの仮説を提供する。」

https://doi.org/10.1101/2025.11.25.25340489

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