お知らせ
ポスドクインターン紹介 – Eva Maria Romera Recioさん
2026年5月1日
Eva Maria Romera Recioさん
Credits: WPI-Bio2Q
Bio-1 コアのポスドク インターンとしてEva Maria Romera Recio さんが加わりました。
ご挨拶
「こんにちは! スペインのGranadaにあるSpanish National Research Council(CSIC:スペイン国立研究会議)の博士候補生で、獣医師のEvaです。これまでDavid Yáñez-Ruiz教授の指導のもと研究に励んできましたが、この度、Bio2QのDaniel Mende 教授率いる計算マイクロバイオーム研究グループに、ポスドク研究員として参加することになりました。
ここ数年、私は欧州のH2020プロジェクト「HoloRuminant」(https://holoruminant.eu)において、生体内試験(in vivo)、マルチキングダム解析、バイオインフォマティクスを組み合わせ、初期生命における微生物の定着が反芻動物(牛や羊など)の腸の発達をいかに形作り、また栄養学的な介入によってそのプロセスをどう調節できるかを解明することに注力してきました。離乳前の反芻動物の大規模なコホート(調査群)を用いた研究を通じて、離乳前の微生物の「刷り込み(インプリンティング)」は、エサの内容が統一された数ヶ月後まで持続することや、安定したコア・マイクロバイオータ(中核となる細菌叢)は離乳よりずっと前に確立されることを見出しました。さらに、初期生命における一度の糞便移植が、腸内細菌コミュニティの再構築と粘膜免疫の調節を同時に実現し得ることを示し、マイクロバイオーム療法のトランスレーショナル(橋渡し)な可能性を明らかにしました。
この道のりの中で、オーストラリア(CSIRO)、スコットランド(SRUC)、スペイン(IRTA)の研究チームと協力する機会に恵まれました。新しい手法の習得や共同研究環境での経験はもちろんですが、それ以上に私が得た大きな気づきは、「物事が計画通りに進まないときにこそ、最も興味深い仮説が生まれる」ということです。こうした経験は、私をそれまでの慣れ親しんだ枠組みから一歩外へと連れ出し、より柔軟で創造的な思考へと導いてくれました。
私がBio2Qに惹かれたのは、生物学的な複雑性を研究するための計算科学的な手法を深めることで、研究者として次なるステップへ進む絶好の機会だと感じたからです。ゲノム解析に基づくメタゲノミクスや機械学習のスキルを強化する上で、Mende教授のグループは理想的な環境です。そこに、長年「時に非協力的な(思い通りには動いてくれない)」生き物たちと密接に向き合う中で培ってきた生物学的な直感を融合させていきたいと考えています。将来的な展望としては、マイクロバイオームが認知機能の老化や神経変性プロセスに給える影響について、特に「脳腸相関」やマイクロバイオーム由来のバイオマーカー、治療法の観点から解明することを目指しています。
科学の面だけでなく、日本へ行くことは私にとって長年の密かな憧れでした。日本は、私の科学的な目標と個人的な好奇心が自然に共鳴する場所だと感じています。私にとってこれは、協力やメンターシップ、そして共に成長することを大切にする研究文化に加わり、科学コミュニティに貢献し支え合っていくことでもあります。
微生物について考えていない時間は、美術館や公園を散策したり、知らない街角で道に迷ってみたり、あるいはどこかに座り込んで目の前の景色を熱心にスケッチしたりしている私を見かけるかもしれません。私は、少しロマンチストな観察者なのです。
Bio2Qでの新たな挑戦を、心から楽しみにしています。」
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