お知らせ
研究者紹介 – Dr. Cody Gene Cole
2025年9月1日

Cody Cole 博士
Credits: WPI-Bio2Q
Bio-1 コアのポスドク研究員としてCody Gene Cole 博士が着任しました。
ご挨拶
「このたびBio2Qにポスドク研究員として着任し、ヒトマイクロバイオームの理解の深化と発展に貢献できることを大変嬉しく思います。
私がこの分野に興味を持ったのは、University of Texas at Austin の学部生時代です。昆虫共生微生物の研究で知られる Dr. Nancy Moran のもとで、エンドウヒゲナガアブラムシに共生する微生物が宿主の健康にどのように影響するかを調べました。この経験を通じて、微生物が生物の体内で果たす重要な役割に強い関心を抱くきっかけとなりました。
卒業後は、Dr. Bryan Davies の研究室で 研究技術員(Research Technician) として、多剤耐性病原体(例:Acinetobacter baumannii(アシネトバクター・バウマニ))に対抗する抗菌ペプチド(微生物が作る細菌を抑えるタンパク質)の開発に携わりました。その経験により、微生物同士の相互作用に対する関心が一層深まりました。その後 University of Chicago の Duchossois Family Institute で Dr. Eric Pamer の指導のもと博士課程に進みました。
博士課程での研究では、ランチバイオティクスとして知られる広域抗菌性バクテリオシンを産生する腸内細菌が、腸内マイクロバイオームのバランスを崩し、Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)や Clostridioides difficile(ディフィシル菌)などの病原体が増殖しやすくなる仕組みを検討しました。これらの知見を通じて、微生物コミュニティの複雑なバランスと健康への影響の重要性に改めて気づきました。
マイクロバイオーム研究はこれまで著しい進展を遂げており、今もなお深く感銘を受け続けていますが、まだ未解明な部分も多く残されています。これまでの経験を活かし、Bio2Qの研究者の方々と協力して、腸内マイクロバイオームの健康と疾患における関わりを研究するプロジェクトに取り組めることを楽しみにしています。」
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