ニュース

ニュースタイプ
掲載年

イベント

【セミナー】Hans Clevers セミナー

2025年5月28日

2025年5月28日

2025年5月26日(月)午後4時30分より、慶應義塾 オルガノイド・コンソーシアム(代表: 慶應義塾大学医学部教授  佐藤 俊朗)は、WPI-Bio2Qとの共催で、Hans Clevers博士を招いてセミナーを慶應義塾大学信濃町キャンパス北里講堂にて開催しました。

Hans Clevers博士について

Hans Clevers博士は、Hubrecht InstituteのOrganoid GroupのAdvisor兼Guest researcher、Utrecht University School of MedicineのProfessor、慶應義塾大学 WPI-Bio2QのInternational Collaboratorを務めています。また、スイス・BaselのRoche社においてHead of Pharma Research and Early Developmentも務め、同社のEnlarged Executive Committeeのメンバーでもあります。

Clevers博士は、幹細胞、Wntシグナル伝達、およびオルガノイド技術における先駆的な研究で国際的に高く評価されています。

主要な研究成果

1. WntシグナルとTCF タンパク質
Clevers博士は、組織発生とがんにおける細胞運命の理解に不可欠である正準Wnt経路において、TCFを核内エフェクターとして同定しました。

2. Lgr5幹細胞の発見
様々な組織における成体幹細胞のマーカーとしてLgr5を発見し、生体内でのこれらの細胞の同定と研究を可能にしました。

3. Organoid Technology
Clevers博士のチームは、Lgr5陽性幹細胞から「オルガノイド」(臓器のミニチュア)を培養する手法を開発しました。このオルガノイドは実際の組織の構造と機能を忠実に再現し、疾患モデリング、薬物試験、個別化医療研究に革命をもたらしました。

4. 臨床・製薬業界への影響
現在、オルガノイドは患者由来組織における薬物反応の試験に使用されており、個別化医療への道筋を提供し、動物実験への依存を軽減しています。

Clevers博士は分子生物学と再生医療分野の第一人者として、幹細胞研究、がん生物学、個別化医療の分野を再構築する画期的な発見を成し遂げています。

 

 

ニュースをさらに見る:

イベント
2025.07.31

【セミナー】WPI-Bio2Q 公開セミナー: Shinichi Sunagawa, Ph.D.

世界トップレベル研究拠点(WPI)慶應義塾大学ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター(Bio2Q)は以下のとおり公開セミナーを開催いたします。 慶應義塾関係者の方であれば、どなたでもご参加いただけます。 日時 2025年8月4日 (月) 14:00~15:0...

お知らせ
2025.07.29

ニュースレター 「Bio2Q Connect」 (Vol. 2, Issue 8 )

WPI-Bio2Qニュースレター「Bio2Q Connect」のVol 2, Issue 8を発行しました。 今号の主なトピック:   Bio2Qと医学部の取組(自主学習とJoint Summer School)   Bio2Q教員研究紹介: Vinodh ...

研究
2025.07.28

【研究成果】免疫系による神経調節:脳指向免疫療法への示唆

Bio2Qの研究者が共著したこのレビューでは、脳-免疫軸が神経回路との直接的な相互作用を通じて脳機能と行動の重要な調節因子として機能することを探究しています。この研究は、神経免疫経路を標的とした免疫療法が精神的および神経学的疾患に対する治療的可能性を提供する可能性があることを強調...

イベント
2025.07.24

【セミナー】WPI-Bio2Q 公開セミナー: Kazuki Nagashima, MD-PhD

世界トップレベル研究拠点(WPI)慶應義塾大学ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター(Bio2Q)は以下のとおり公開セミナーを開催いたします。 慶應義塾関係者の方であれば、どなたでもご参加いただけます。 日時 2025年8月7日 (木) 17:00~18...

研究
2025.07.22

【研究成果】哺乳類のアミノ酸ヘテロキラリティに対する耐性

Bio2Qと慶應義塾大学の研究者が共著したこのレビューでは、哺乳類におけるD-アミノ酸の役割を探究し、体内で主にL-エナンチオマーが使用されているにもかかわらず、その機能的意義を明らかにしています。著者らは、酵素制御、微生物相互作用、組織レベルでの適応によって、哺乳類がD-アミノ...