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研究者紹介 – Dr. Scott Behie

2025年6月10日

Bio2Q の Director of Research Programs として Dr. Scott Behieが着任しました

ご挨拶

「このたび Bio2Q の Director of Research Programs に着任しました。新たな環境で共に働けることを大変嬉しく思います。

私の研究への情熱は、微生物が化学的特性や遺伝子情報、さらには自然環境との相互作用を通じて語りかけてくる“隠された物語”を明らかにすることにあります。微生物は驚くべき多様性を示し、土壌や植物からヒト・動物の宿主に至るまで、栄養循環や生態系の均衡を支え、新たな治療法の可能性を秘めています。

Brock University での博士課程では、植物と微生物の相互作用に焦点を当て、微生物が植物の栄養獲得や健康維持にどのように関与しているかを、遺伝学と化学の視点から研究しました。この研究で培った学際的なアプローチへの関心は、UC Berkeley でのポスドク研究へと自然に繋がり、自然環境に存在するマイクロバイオームの構造、遺伝、機能、化学特性を統合的に解析し、バイオアクティブな小分子の発見や自然下での微生物コミュニティの機能解明に取り組んできました。

2020年からは『Cell』誌にて Scientific Editor として着任し、4年後には Senior Scientific Editor に就任しました。出版プロセスや科学的コミュニケーションへの理解を深め、実験設計から論文作成、成果の可視化・発信に至るまで、研究者を多面的に支援してきました。科学とは単なる技術的営みではなく、協力と発見を呼び込むナラティブ・アート(narrative art)だと考えています。

私は、学際的融合こそが革新的な成果をもたらすと信じています。生態学 × 分子生物学、微生物化学 × バイオテクノロジーなど、異分野が交わる接点にこそ新たな発見があると感じています。そして、科学を共有し協働を促進するうえで、コミュニケーションは不可欠です。助成申請の説得力ある構成、論文の魅力的な表現、多様なメディアを活用した情報発信など、科学的コミュニケーションに力を注いでいます。

Bio2Qで新たな役割を担うことになり、メンバーと協力し合いながら研究活動を支え、Bio2Qのポテンシャルを高め、ここで展開される素晴らしい研究が広く共鳴するよう努めてまいります。微生物システムが協力と情報交換で繁栄するように、私たちのコミュニティでも強いつながりと共通の目的意識を育むことができれば、と考えています。

温かく迎えていただき、大変嬉しく思っています。Bio2Qのメンバーとともに歩めることを心から楽しみにしています。」

>>Bio2Qメンバーリスト

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